「大地から湧き上がってくる力のようなものを
感じるんです」

高橋朋子さんの口から出た言葉を聴いた時
私は、それまで懐に抱いていた疑問符が
すっと消えたように感じました。

北海道で生まれた朋子さんが、作陶を学ぶ
土地として、気候も風土も全く異なる沖縄を選んだのは

自然の力を最も素直に受け取れる
場所として当たり前に行き着いた
のだろうと思います。

果ての無い空や海

畑の畦道から立ち上ってくる
草の青い吐息

雪が降り積もった森から飛び立つ
鳥の影

今まで出会ってきた沢山の風景や
書物

そして、大切な人たち

自分の中に積み上げてきたものを
ひとつひとつ、昇華しながら
丁寧に繊細に作品へ映しこんでゆく。

今、工房を構える千葉の八街において
その地道な作業は毎日続いています。

おいおい、彼女の口からこぼれる言葉の
誌的な断片には、自分を取り巻く全てのものへの
いとおしさと尊敬の眼差しが込められているのかもしれません。

「星と森のはざまで」

「minamo」

「うみやまの燭台」

「蒼掌aode酒器」・・・

そして

「緋の暁 ~あけのあかつき」

この「緋」は、夜の深い闇が、しらじらと
明けてこようかという頃合いの緋色。

そこに金と銀の箔を組み合わせ、
どこか遠い異国を思わせる朋子さんらしい
感性の作品が生まれました。

今回は、この赤絵の新作に加え、ろうそく立てや
アクセサリー、普段使いのものなど多彩な作品が揃います。

寒い季節に心引き立つ器たちです。

どうぞお楽しみに。

高橋朋子 陶展 「緋の暁 ~あけのあかつき」

11月18日(土)~11月26日(日)
12時から18時 会期中無休

場所:ギャラリーKAI

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